【SuperMap考(1)】−SuperMapDeskproを使ったGISの講義−
私は沖縄県の私立大学でSuperMapDeskproを使ったGISの講義を行っています。国立大学や内地の私立大学では有名GISソフトを利用した講義を行っているのは知っていますし、このソフトが業界標準の地位を占め、また非常に高度な空間処理技術を提供していることも承知しています。できることなら私も使ってみたかった。では、なぜSuperMapによる講義を行っているのでしょうか。
有名GISソフトは多くの機能を実現できますが、高機能を利用するためには高価格版の製品を購入する必要や機能ごとのエクステンションを別途購入する必要があるようです。既存のGISデータのオーバーレイやスタイル設定、属性情報の編集、ポイントオブジェクトなどの生成、属性検索・空間検索などの基本的な地図作製機能でしたら数十万円程度で手に入れることは可能です。しかし、本格的なGISデータ作成、ラスターデータの幾何補正やオルソ化、オーバーレイ解析、ラスター解析、ネットワーク解析等の高度な機能を手に入れようとすると総額数百万という価格になってしまいます。このような高度なGISソフトは、多くの研究費を有している大規模大学や公共機関、環境調査などを行う一流大企業だけが購入可能と想像しています。(大学などの教育機関ではアカデミック価格になるようですが)
当地沖縄は日本国人口の約1%、経済規模はもっと小さいでしょう。地元で自然環境・社会状況調査等を行っているGISを利用する可能性のある会社の規模は、東京などの大都市にある調査会社に比べれば小さく、中小企業であると思います。たとえGISを利用する必要が生じたとしても、高機能なGISソフトを簡単に設備投資できるような環境にはないと想像しています。このような会社ではGISを高度に利用する業務は行えないのでしょうか。高度な空間分析を行う業務は大会社の沖縄営業所に発注され東京本社で解析、ということに甘んじるしかないのでしょうか。
「資本がなければ高度なGIS環境を築けない」(教育現場も含めて)という現実の中で、SuperMapに出会いました。SuperMapはコストパフォーマンスが非常に良く、この現状を変えてくれそうなGISソフトでした。上位のバージョンであるDeskproで十数万、解析機能に制限がある Expressで数万で、この価格でしたら沖縄の中小企業でもGISを活用できると考えました。また、SuperMapDeskproは、このソフト本体だけで、本格的なGISデータ作成、ラスターデータのジオリファレンスと幾何補正、座標系変換、GISデータインポート・エクスポート、オーバーレイ解析、ラスター・グリッド解析、ネットワーク解析等、GISで利用する処理や解析機能を一通り利用することができます。(Free版Viewerについては個人レベルでGISを学習するのに最適なソフトとして、すでに『SuperMapViewer利用講座』として紹介しています。)
沖縄の大学生は地元志向が強く、卒業生の多くは地元の中小企業などに就職しています。ということで、卒業してからも積極的にGISを利用した仕事を展開していける、「SuperMapDeskproを使ったGISの講義」が意味のあることになるという考えに至ったのでした。
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GIS沖縄研究室
2009年12月08日
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